この記事を読むと…
こんなことがわかります。
「タイヤの溝が減ってきたけど、どれぐらいで交換しらいいのかわからない、、、」
「雨の日にタイヤがスリップするけど交換時期なのかな、、、」
「タイヤ交換は高いから、交換を先延ばしにして使い続けたいけど危なくないかな、、、」
こんな人のために解説します!
車のタイヤ交換なんて、そう何度もするものではないので、
前タイヤ交換した時に説明されたけど、具体的な交換時期なんて覚えてないですよね。
金額も安くないので皆さん、なるべく使えるところまで使ってから交換したい、
と考えると思います。
今回の記事でタイヤの交換時期について詳しく解説していきたいと思います。
この記事を書いている私は、
トヨタ系ディーラーで働いて4年目になる一級自動車整備士です。
私もお金持ちではないので、タイヤは使えるギリギリまで使ってから交換しています。笑
こんな私が解説します!
タイヤの具体的な交換時期
タイヤ交換の交換時期と言っても、判断するポイントはひとつではなく4つあります。
この4つの判断するポイントについて詳しく解説していきたいと思います。
残り溝での交換時期
一番の交換の目安になるのがこの「残り溝」で、タイヤ残量とも呼びます。
その名の通りタイヤの溝の深さのことで、使用限度は1.6mmとなっています。
この1.6mm以下になってしまうと車検が通らなくなってしまいますので、
最もタイヤをギリギリまで使用できる限度になります。
この1.6mmは確認しやすいように、スリップサイン(ウェア・インジケーター)
と呼ばれる目印がついています。
使用限度は1.6 mmですが、
安全に乗るためにおすすめの交換時期は3.5mm以下からです。
理由は雨の日などの濡れた路面で使用した時に、
排水性能と呼ばれる路面とタイヤの間から水を排出する性能が3.5mm以下から、
極端に悪化するからです。
この性能が悪くなると、ブレーキをかけたときにタイヤが水の上に乗って滑るように
スリップしてしまい制動距離が伸びてしまいます。
またカーブの際にもスリップが発生して、
車が曲がらなくなってしまいますので大変危険な状態になりやすくなってしまいます。
ですので、使用限度は1.6mmですが、残り溝での交換時期としては3.5mm以下になります。
使用年数での交換時期
車をあまり乗らなくて残り溝が減らなくても、タイヤは定期的に交換した方がいいです。
それを判断するのに、タイヤの使用年数で交換時期を判断します。
タイヤには製造された年(西暦)と、その年の何週目に製造されたのか記載されています。
この製造年と週数はタイヤの側面に記載されているので簡単に確認できます。
タイヤはゴムですので、年数が経つと硬くなってきます。
古い輪ゴムを想像するとわかりやすいのですが、
古い輪ゴムは硬くなって伸ばすと切れてしまいますよね。
このようにしてタイヤも硬くなり、ヒビが入ってきます。
タイヤが硬くなると、先程と同じになりますが制動距離が伸びたり、
カーブでスリップしやすくなってしまいますので危険になります。
またひび割れが入ってくるとバーストの危険性も高くなります。
このバーストについては、後の文章で詳しく解説します。
この使用期間による交換時期の目安は、
製造された年から約4〜5年での交換、となっており、
最大で使用しても10年が使用限度とされています。
たとえ新品と同じ残り溝があっても使用年数が約4〜5年経過している場合、
おすすめの交換時期となります。
偏磨耗での必要になる交換
タイヤの偏磨耗とはタイヤが異常な摩耗、偏った摩耗をしてしまい、
残り溝が残っていても交換が必要になるケースがあります。
偏磨耗は普段のタイヤの空気圧、車の重量などに影響します。
真ん中の溝が残っていてもタイヤの端の部分が著しく磨耗したり、
その反対に、真ん中の溝だけが著しく磨耗したりします。
タイヤの端の部分が磨耗した場合、
タイヤの骨組みにあたるワイヤーというものが見えてきてしまいます。
このワイヤーが表に見えてきてしまった場合は、
早急にタイヤ交換が必要で、もちろん車検にも通りません。
また荷物の積み過ぎなどによる過積載により、
タイヤの表面が凸凹に偏磨耗してしまうこともあります。
こういったタイヤの偏磨耗が起きてしまった場合、
新し目のタイヤで残り溝があっても、交換が必要になります。
もしタイヤの偏磨耗が起きてしまった場合、偏磨耗する原因があると考えられるので、
原因を解消しないとまた新しいタイヤも偏磨耗してしまいますので注意が必要です。
タイヤの変形で必要になる交換
偏磨耗以外でもタイヤ交換が必要になる場合があります。
それはタイヤの変形が起きてしまった場合です。
タイヤの変形というのはタイヤの側面(サイドウォール)が膨らんでしまうことを言います。
先ほどの偏磨耗の解説の中で出てきた、ワイヤーがタイヤの内部で損傷し、
切れてしまった場合などに側面が膨らみ、変形してしまいます。
ワイヤーがタイヤの内部で切れてしまう原因は、
タイヤの側面を縁石などに擦ってしまった時に起こりやすいです。
外見ではなんともなくても内部のワイヤーが損傷していると
そこの部分は強度が落ちてしまいますので大変危険です。
この変形が起きてしまった場合、そこからタイヤが破裂(バースト)してしまう恐れがありますので、
こちらも早急にタイヤ交換が必要になります。
パンクでタイヤ交換が必要になるケース
実はタイヤのパンクでも交換が必要になるケースがあります。
・タイヤのトレッド面(地面と接する面)以外に穴が開いた場合
・タイヤの穴から亀裂が入ってしまっている場合
【乗用車】
・直径が6mm以上大きい穴が開いてしまった場合
・穴が3個以上開いてしまった場合
・穴と穴の距離が40㎝以内の近い場合
【トラック、バスなどの大型車】
・直径が8mm以上大きい穴が開いてしまった場合
・穴が4個以上開いてしまった場合
・穴と穴の距離が70㎝以内の近い場合
上記のような場合はタイヤの修理ができないので、交換が必要となります。
よくあるケースは、タイヤの側面(サイドウォール)に
釘などが刺さってしまって修理不可能になるケースが多いです。
タイヤが劣化した状態で使い続ける危険性について
私もそうですが、タイヤをなるべくギリギリまで使いたい方は多いと思います。
ですがあまりにも劣化したタイヤを使い続けると走行に危険になりますので、
その危険性について解説します。
バースト
タイヤのバーストは皆さんもよく耳にするのではないでしょうか?
バーストとは、走行中にタイヤの側面からいきなり破裂してしまう現象です。
古いタイヤを使用していると、ひび割れなどからバーストを起こしやすくなります。
バーストについては別の記事で詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
タイヤのスリップ(制動距離の増加)
この記事の、残り溝のところでも少し書きましたが、
タイヤの残り溝が少ない状態で走行すると、濡れた路面での排水性能が低下します。
排水性能が低下すると、タイヤと路面が接する範囲が狭くなりグリップ力が低下します。
ブレーキング時や、カーブを曲がっているとときにグリップ力が失われると、
ブレーキング時には制動距離が伸びてしまい、止まることができなくなってしまい、
カーブの最中にグリップ力が失われると、ハンドル操作ができなくなり大変危険になります。
ハイドロプレーニング現象
ハイドロプレーニング現象は教習所の学科の時間で勉強したかと思います。
この現象も排水性能の低下により発生します。
タイヤと路面の間に水が入り込み、完全にタイヤが水の上を滑るようになってしまい、
ブレーキ操作、ハンドル操作が一切できなくなりますのでこちらも大変危険です。
ハイドロプレーニング現象の原因や、対処法については別の記事で解説する予定ですのでお待ちください。
まとめ
今回はタイヤの交換時期について解説しました。
今回の記事を参考に車のタイヤ交換の参考にしてみてください!
タイヤの状態は車を安全に乗るのに大きく関わってきますので、
できることなら交換時期になったら早くタイヤを交換して、安全な状態で車に乗ってください!